歴史を学び、自分のアタマで考えよう。|特攻隊員の上原良司さんの自由主義に対する考えにトリハダ

帝国主義が世界を支配していた第二次世界大戦のころ、日本はもちろん軍事政権下にありました。そのため、自由や平等主義などの思想は、理解不能であり、受け入れられなかったと思います。
 

しかし、特攻隊員の遺書の中に衝撃的な記述を見つけました。上原良司さんが書いた「所感」には、特攻作戦を決断した日本への批判や、自由主義への願いがありました。数多くの遺書の中でも異例中の異例。彼の遺書を読み、僕はトリハダが立ちました。
 

特攻隊員として散った1人の自由主義者

所感の全文はインターネットで探して読めますが、ブログでは一部引用にとどめます。まずは、上原さんの思想に触れてみてください。

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思へば長き学生時代を通じて得た、信念とも申すべき理論万能の道理から考へた場合、これは或は自由主義者と謂はれるかも知れませんが、自由の勝利は明白な事だと思ひます。
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権力主義全体主義の国家は一時的に隆盛であらうとも必ずや最後には敗れる事は明白な事実です。
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愛する祖国日本をして、嘗ての大英帝国の如き大帝国たらしめんとする私の野望は遂に空しくなりました。
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空の特攻隊のパイロットは一器械に過ぎぬと一友人が云った事は確かです。操縦桿を採る器械、人格もなく感情もなく、勿論理性もなく、只敵の航空母艦に向って吸ひつく磁石の中の鉄の一分子に過ぎぬのです。
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一器械である吾人は何も云ふ権利もありませんが、唯願はくば愛する日本を偉大ならしめられん事を、国民の方々にお願ひするのみです
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明日は自由主義者が一人この世から去って行きます。彼の後姿は淋しいですが、心中満足で一杯です。
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自由の勝利、軍事政権の批判、日本の繁栄を願う

上原さんは日本の敗戦を予想していました。ヒトラーを要したナチシズムのドイツ、ムッソリーニを要したファシズムのイタリアが敗れたからです。どちらも、日本と協定を結んだ軍事国家でした。
 

上原さんは学問を通し、自由主義を理想とすべきだと考えたのです。が、当時の日本では受け入れられない思想だったため、特攻前日の遺書に想いを本音を記したのです。
 

僕が読んだ遺書では、彼のような思想を書いていた人はいませんでした。知覧特攻平和会館に展示されている遺書では唯一だったのです。上原さん以外は本音を書かなかっただけかもしれませんが。
 

自由主義は、当時の日本では非常識ですが、今では一般的な価値観です。これまで歴史は、失敗を繰り返しながら答えを求めてきました。その結果、軍国主義が間違っていることを歴史が示しました。
 

きっと過去にも、自由主義、平等主義を大切にした人がいたでしょう。上原さんもその1人なのだと思います。生きている時代が違うだけで、認められる価値観が異なるのはいつの時代も同じなのでしょう。

 

歴史を学び、自分のアタマで考えて判断しよう

世界の人口は70億人くらいいます。が、過去を振り返ればさらにたくさんの人生があります。歴史を学ぶというのは、たくさんの人生を学ぶことと同じです。文明や文化は違えども、遺伝子レベルでは人間そんなに変わってはいません。
 

過去をひもといていけば、現代にも通用するアイディアが見つかります。「実はあの人は正しかった」なんてことは、何度もあったわけですから。今の常識が必ずしも正しいとは限らないのです。
 

常に「批判的に!」というわけではありません。が、何も考えずに周りに流されるのはよくないのではないでしょうか。自分のアタマで考え、結論を導いていく力が大切だと言いたいのです。
 

そのためにもまずは読書!本には筆者の人生のエッセンスが詰まっているのです。何十冊も読む必要はないので、まずは手頃な一冊を読んでみてはいかがでしょうか。