実用書としても、自己啓発としても読めちゃう。|SEを極めるプロフェッショナル仕事術

実践的なビジネス書として、【SEを極めるプロフェッショナル仕事術 成長し続けるSEのための32の心構え】を読みました。システムエンジニア一筋40年の著者が語る仕事術は、実用書としても、自己啓発としても読めちゃうほど素晴らしかったです。

 

『実際の業務で使えるノウハウがつまっているよ!』と、知り合いのSEから教えてもらった本ですが、まさにそのとおりでした。

 

IT部門とビジネス部門とが互いに歩み寄らなければならない。

IT部門とビジネス部門とには、大きな溝があります。ITのような専門知識は、専門家に任せるという風潮があるためです。ビジネス部門から、「いいものよろしく!」と丸投げされてしまうんです。いやいや、ちゃんとコミュニケーションをとらないと…という要求は受け入れてくれません。

 

結果、「思ってたのと違う!」と否定され、作り直しを命じられるのです。なんて悲しいお話。

 

このような、SEあるあるを例に、著者の横塚さんがどのように困難を乗り越えていったのでしょうか。本書では、事例を用いながら紹介されており、業務に携わっている人ならば非常に参考になります。

 

以下、読書メモです。

・学ぶべきは、稼働率とコストとの関係を明確に説明できるところだ。(中略)品質とコストとのバランスを議論し、最も利益が得られると思われる「品質とコストの最適値」をビジネスの観点から探り出すのが重要だ。

・データに基づき戦略をストーリーとしてデザインする。これがビッグデータの本質である。(中略)ビッグデータを活用するためのスタートは、経営戦略のデザインにあるということだ。デザインされた戦略がないのに、データを大量に集めたところで、何も生まれない。厳しい言い方をすれば、ガラクタかゴミの山となるだけだ。

・IT部門がオーナー部門にシステム開発関連の研修やシステム開発現場の体験といった機会を提供した。(中略)オーナー部門のスキルを高め、同部門とIT部門との絆を強めていった。

・IT部門にもクリアしなければならない課題があった。(中略)仕事の透明性を高める取り組みだ。開発の見積もり根拠、開発期間や工数などについて、オーナー部門に対して説明責任を果たさなければ、この制度は機能しない。

・「顧客にとって価値があるサービス」を提供できる企業だけが、これからは生き残る。言い換えると、価値ある「ビジネスプロセス」を設計する力が、企業の命運を握る。

・ビジネスサイドとITサイドに二分して物事を考える時代ではなくなっている気もする。新ビジネスを生むための最重要ツールであるITを全ての社員が使いこなすのが理想の姿だ。

・いまどきの顧客は、自分で価値を感じる製品・サービスを自分で選びたいのだ。

・「買い場」型のビジネスモデルとは、「顧客が自分で選べる仕組み(プラットフォーム)を提供する」ビジネスモデルだということである。

・KPIで営業プロセスの状況を評価

・クラウドの第二フェーズにおける企業の競争は、クラウドを駆使したビジネス創造の競争だ。そしてビジネス創造は組織全体の課題だ。

・BAがもつべきスキルは、「戦略理論」「モデル化・抽象化」「インタビューやワークショップ」など幅ひろい。

・スピードの面でも、基板技術者を抱えることは有益だ。

・従来の発想に基づけば「兼務は最低限に」となるが、今日としては、むしろ多発したほうが良いとも考えられる。(中略)仕事の進め方に合わせて組織制度を大きく見直す時期を迎えているのかもしれない。

・人の意識を変えないと、いくら機器を入れ替えても効果が出ないことが分かった。

・あらかじめルールを決めておくというマネジメントスタイルを導入することが、大きな効果をもたらすと思う。

・グローバル競争の中では、データに基づき合理的に意思決定していかないと、世界の勝ち組には入れない。

・個人の頑張りに依存するのを止めて、会社全体の人的リソースを機動的に配置するなどの改善をしていくことが急務だ。(中略)仕事の見える化、指標に基づく継続的な改善、残業時間の削減。これらの解決が、グローバル化には不可欠である。

・システムを利用する立場の人達との信頼関係を築いた。これはSEにとって最高の仕事だ。システムは使って初めて価値が出るものであり、SEはシステムを使う人たちのために仕事をしているからである。

・変化を続けることと常識を打ち破ること。

・社外の方と議論すると、自分と他人との違いが見えてくる。

・他社のことを知ると、自社との比較ができるようになり、自分の会社の良い点や悪い点がよく分かる。

・「転職で成功したかどうかを調査してみると、年に1〜2度しか合わないような、『弱い絆』の友人からのアドバイスで転職を決めた人は、成功した確率が高いそうだ。

・両者を天秤にかけるような働き方ではなく、大切なことをきちんと大切にできる環境があれば、もっといい仕事ができるはずです。(中略)社員として何かできることはないかと考え、実行していきたいと思っています。

・何事についても本質を考える大事さを学んだ。本当に大事なことは何かを常に考え、それを優先順位の一番とする。その一番を決める判断力と決断力、それから覚悟を持つことの大切さである。

・現状の問題から行動を始める「問題解決型」のアプローチではなく「どうしたい」というビジョンから入る方法です。

・SEは最も現場に近いのです。遠慮無く現場に出向いて利用者の意見を聞く。遠慮無く本社の縦割り機構をマネージする。これらの責任がSEにはあると思います。

・サービスをイノベーションにするためには、その前提としてサービスの構成要素である業務プロセスを把握しなければならない。

・COBIT5は5つの原則からなり、最初の原則を「ステークホルダーの価値創造」としている。つまり、ガバナンスの目標を「価値創造」と定義しているのだ。

・社員がみんなで助けあいながら、顧客が求めているものを常に創造していく。日本企業には、こうした伝統的な良さがあったはずであり、社員たちは、そうした気概で仕事に向かっていたはずだ。

・本人の自然治癒力を尊重する上司になることが先決だろう。待つことは確かにつらい。だが、本人のやりたいようにやらせて上げる度量が重要だ。信頼して、チャレンジしようとする気持を後押ししてあげることが、人を育成する最大のポイントだ。

・監査部門はそのブレーキを踏むのではなく、リスクを取ってでも新しい価値の想像を進める「推進役」でありたいと筆者は思う。内部監査部門は、まさにそうした触媒の役割を期待されている。

 

SEを始めたばかりの人も、これからSEの職に就く人も、どちらにもオススメできる本です。