民俗芸能の発展が『高齢化先進国、日本』を救う【Radical Japanese Musicレポート②】

Radical Japanese Music Live“レポート第2弾です。第1弾では、『はたらく』がコミュニティ形成の中心となったことを紹介しました。(参照リンク:『はたらく』がコミュニティを生む中心へ【Radical Japanese Musicレポート①】

 

第2弾では、民俗芸能が生活とどのように関わるべきかについて考えました。

 

カギとなるのは超高齢社会です。高齢化先進国である日本の未来に思いを馳せます。すると民族芸能は、『はたらく』をリタイアした人たちのコミュニティを支えるのに、一役も、二役も買う存在であると気付きました。

 

『はたらく』を終えると、地域に帰ってくる高齢者。

中心であった『はたらく』のコミュニティですが、退職すると、距離を置かざるを得ないでしょう。今度は、別のコミュニティに身を委ねようとします。そして、今まで遠い存在だった、家族や地域コミュニティが、余生を楽しむ場として注目されるのです。

 

実際に、70歳からの人生を考えている人が次のようなコメントをしています。

 

「最後は地域に帰るんです、地域活動に参加する子ども見守り隊とか、デイサービスのボランティア活動など、最後は地域に貢献されて居ます」(noname#171468さん)
70歳からの人生を本気で考えてみる – 教えて!ウォッチャー – 教えて!goo70歳からの人生を本気で考えてみる - 教えて!ウォッチャー - 教えて!goo

 

『はたらく』を退いた高齢者にとって、地域コミュニティは拠り所なのです。一方で、うまくつながりをもてずに、孤立してしまう高齢者がいます。これは、社会問題として検討すべきです。職場でしかコミュニティを築けなかった人は、退職後のコミュニティを失うのです。

 

第10回 孤立する高齢者と新たなコミュニティづくり | 日本生命保険相互会社第10回 孤立する高齢者と新たなコミュニティづくり | 日本生命保険相互会社第10回 孤立する高齢者と新たなコミュニティづくり | 日本生命保険相互会社

 

音楽が地域コミュニティを活性化する。

はたらき終えた人が集うコミュニティは、絶対に必要です。では、「なにで地域をつなげばよいのか」という当然の疑問がわいてきます。

 

それに対して、僕は音楽を提案します。それも現在主流のポピュラー音楽ではなく、日本の民俗芸能の音楽です。

 

現実を見ましょう。日本の伝統は、流行の後ろに追いやられています。伝統芸能が本当に面白く無いのか、僕たちが良さを感じられないだけなのか、どっちなのかはわかりません。でも、みんなの日常に、日本の民俗芸能の姿はありません。

 

一方で、Jポップやロックなど、西洋文化を取り入れた音楽はみんな聞いています。民俗芸能とは違い、日常的に耳にする音楽があります。iTunesやオリコンチャートで上位にくる音楽のことです。ここでは、それらを総称してポピュラー音楽とします。

 

みんなが知るようになったポピュラー音楽は、伝統芸能を弾き飛ばしました。しかしそれらは、僕たちの生活から生みだされた音楽ではありません。自分とは離れた存在が生み出した、芸術作品です。地域性や民族性を感じる部分は、ほとんどありません。

 

もちろん、地域を越えた交流にはものすごい貢献しています。広がりで言ったら、伝統芸能をはるかに凌駕しています。でも、地域コミュニティに関して言えば、Rockが地域に浸透するとは思えません。

 

したがって、ポピュラー音楽が、伝統芸能のような日本の音楽に、完全に取って代わることはありませんでした。ただ、流行を担うという大きな役目を果たしただけです。だから、生活との関係性は弱く、コミュニティとして地域に根づくものではありません。

 

自分たちから生まれた音楽が、コミュニティを活性化する。

したがって、日本の民族音楽が役目を果たすテリトリーはまだまだ生きています。流行からは置き去りにされましたが、切り捨てるにはまだ早いのです。むしろ僕は、超高齢化社会を救う可能性を秘めていると主張します。

 

伝統芸能は、地域の歴史にもとづいたカタチをしています。それぞれの地域で、意味があって受け継がれているのです。漁師町であれば、漁業に関係する音楽や踊りの振り付けがあります。農家が集う町では、農作業をイメージした振付や音楽があります。そこには、大漁や豊作への祈りが込められていたりするのです。

 

つまり歴史を振り返っても、『はたらく』とコミュニティは密接に関係していて、さらには、芸能とも結びついています。これが、今回のポイントです。現代の僕たちも、『はたらく』から切り離すことなく、音楽について考えるべきなのです。

 

『はたらく』を通して民俗芸能を生み出してみよう

現在はたらく人たちは、農業や漁業関係者は少なく、ほとんどがサラリーマンです。

 

だったら、『サラリーマンで芸能をつくってしまえばいい!』のです。でも、「ムリだよそんなもん。」という声が聞こえてくる気がします。が、ムリではありません。なぜなら、ゼロから作り上げる必要はないからです。

 

日本には、数多くの芸能が眠っています。過去を遡れば、いろんなところに民族音楽があるはずです。それをもう1度掘り起こして、今の僕たちにあった姿にアップデートするのです。そうすれば、サラリーマンでも芸能ができちゃうというカラクリです。

 

日本の民俗芸能は発展途上。掘り下げて、組み合わせて、アップデートする。

“Radical Japanese Music Live”に、その姿が見えたのです(この記事はライブのレポートです)。本来の芸能の姿を呼び出し、時代に合った音楽にアップデートしていく未来があったのです。

 

そうすれば、よりライフスタイルにマッチした日本の民族音楽が生まれます。そして、地域に根付けば、コミュニティを支える基盤となるのです。そうすれば、おじいちゃん、おばあちゃんになっても安心です。

 

さらに、IT革命がもたらした時代はこれにとどまりません。グローバル化が進む世界では、国と国との境界なんて関係ありません。それぞれがボーダレスにつながり、文化交流が行われます。オープンな文化こそ、時代を楽しめるのです。

 

それは地域でも同じです。他の芸能を「よそ者」扱いしてはいけません。地域間で交流すべきです。交流文化が広まれば、はたらいていた当時と、退職した後で、住む地域が変わっても安心です。『芸能の交換』が、挨拶となるからです。高齢者が孤立化して、一人ぼっちで寂しい生活を送る未来とはおさらば。民俗芸能ってすばらしいじゃないですか。

 

日本の民俗芸能が、超高齢化社会を支えるコミュニティを強くする。

今、『はたらく』コミュニティと『地域』コミュニティのバランスが崩れています。そして、はたらき終えた人は、どんどん地域へ流れていく。するとますます、コミュニティはバランスを失うでしょう。地域コミュニティが弱体化が浮き彫りとなっているからです。

 

『はたらく』を中心に強化されたコミュニティで、『地域』をもう1度支えるべきです。方法の1つが民俗芸能のアップデートだといえます。過去が積み重ねた想いを、今の世の中に合った姿で、新たに価値を定義しましょう。そして、地域で共有するのです。

 

これは、国民年金と同じです。老後に備えてお金を積み立てるように、芸能を育てましょう。そして、民俗芸能が地域コミュニティを築き、豊かな人生を支えます。つまり、高齢化先進国、日本を救うのです。

 

吉井盛悟さんは、新たな民俗芸能を築く、時代のパイオニアとなるのではないでしょうか。そんな考えを起こさせる、楽しいステージでした。

 

また、今回の記事を書いて、アグリゲーターを連想しました。多様性を集約して、新しい価値創造をする働き方です。【読書メモ

 

 

他にも地域コミュニティを活性化するアイディアはあるでしょう。何か伝えたい想いがありましたら、コメント欄にお願いします!