アーティストはGACKTを見習って新曲完成までの道筋をSNSで公開すべき。

かつての芸術は、アーティストが一方的に発信して、一般聴衆はただ受信するだけでした。しかし、時代は変わりました。SNSを使えば、世界中の人に対して瞬時にメッセージを伝えられるとともに、メッセージに対するレスポンスを受け取ることも可能なのです。

そんな最中、GACKTが新曲完成までの道筋を、ファンに向けてLINEやFacebookで公開しました。《episode 1~4》まで、YouTube動画やweb記事など、『愛』と『死』と、幸せと哀しみとがかき混ぜられたエピソードが4つ、紹介されています。

そして、最後の5つ目のエピソードでは、新曲『P.S. I LOVE U』の歌詞が綴られました。GACKTがオープンにしていなければ、味わえなかった感動だったでしょう。今までとは違い、ハッキリとした映像が頭に浮かびました。4つのエピソードが僕たちの心に積み重なり、5つ目のエピソードである作品を輝かせたのです。

何のための、誰のためのアーティストなのか。

GACKTは、悩める人たちの背中をそっと押してくれる存在です。GACKT自身のアーティストワークです。

予ねてより「未来ある子供達の背中を押す」ことをアーティストワークのひとつとし、毎年高校の卒業式に訪れ熱いエールを贈ってきたGACKTが、3月19日 埼玉・草加市立青柳小学校にて特別授業を行った。

実は先生になりたかった? GACKTが小学校で特別授業実施│Daily News│Billboard JAPAN実は先生になりたかった? GACKTが小学校で特別授業実施│Daily News│Billboard JAPAN実は先生になりたかった? GACKTが小学校で特別授業実施│Daily News│Billboard JAPAN

演る側は突き抜け、観る側はしがみつくからアートは面白くなる。

アーティストは、常に型破りでなければなりません。僕たちでは理解できないレベルまで突き抜け、先進的でいるべきなのです。簡単に追いつけるような、平凡な芸術だったら、満足できませんから。

だからこそ、僕たちは追いかけるのです。アーティストが示してくれた道に沿って、自分たちの感受性をフル回転させて、ついていこうとします。しかし、アーティストは追いつかれまいと逃げ続けます。

僕はコレを、芸術の発展に必要なプロセスだと考えています。発信側が先走りすぎては、誰も理解できないものになってしまいますし、受信側が怠けていてはいつまでたっても、アーティストは次のステージに到達できないからです。

つまり、今回のGACKTが公開した新曲完成までの道筋は、まさに音楽の発展に欠かせない行為だったのではないでしょうか。

プロセスをオープンにし、ある程度のバックグラウンドを揃えた。

曲作りの参考にした資料を公開したことで、GACKTが何を考え、何を大事にしているのかを考える切り口が生まれました。今回で言えば、『愛』や『死』です。もちろん、1つ1つのエピソードについての感じ方は人それぞれです。しかし、出発点が同じだということは、現在地を知ることであり、GACKTが向かう方向を考えるヒントになるのです。

さらに、SNSの魅力である双方向コミュニケーションを実現したのも大きな成果でした。GACKTは、ファンが何を考え、何を感じ、何を大切にしているのかを知りません。そこで、各エピソードに対するコメントからファンの想いを吸い上げることに成功したのです。

これは、GACKTのミッションである『誰かの背中を押す』に大きくつながります。リアルな声に対し、メディアで答える。新曲誕生のエピソードを混じえますから、付加価値を生むのです。双方向にコミュニケーションすることで、よりダイレクトに聴衆へメッセージが伝わるようになるのでしょう。

GACKTは着実にミッションを果たしている。

今回のように、SNSで新曲完成までの道筋を語ったのは、まさにGACKTのミッションでした。直接的ではないかもしれませんが、間接的に、『誰かの背中をそっと押す』ことになるからです。ステキな取り組みですよね。

プロセスの公開って、ためらってしまう印象がありますが、そんなくだらない発想をGACKTは一蹴してくれました。SNSなどのコミュニケーションに関するテクノロジーが発展している時代においては、GACKTのような取り組みは一般化すべきではないでしょうか。少なくとも、僕はそう思います。

価値観が多様化し、いろんなレイヤーの人達が暮らすこの世界で、アーティストが一方的に発信していても、誰もついてこなくなってしまう気がするからです。そして、聴衆の側も、どんどん理解できなくなって、結局みんなが知っている音楽にしか食いつけなくなってしまうでしょう。

そんな未来は全然健全ではありません。だからこそ、アーティストも、聴衆も、積極的な受発信が必要なんです。GACKTが切り開いてくれた道を、みんなで集まって切り広げ、これからの文化になっていったらなぁと思います。

《episode 1》手紙に託された想い

《episode 2》あなたへ

《episode 3》プレゼント

《episode 4》どうか私の事を忘れないで~五年後に届いた手紙

《episode 5》P.S. I LOVE U